日本人は世界一認知症(アルツハイマー型認知症)に罹患しやすいと言われています。
その理由としてまず言われているのが日本人の寿命の長さです。アルツハイマー病の原因となるアミロイドβはアルツハイマー病が発症する20年ほど前から脳内に蓄積されていくことがわかっており、長生きすればするほど発症率も高くなります。
そしてもう一つ重要なのが日本人には糖尿病が多いということです。糖尿病とアルツハイマー病は切っても切れない関係にあるのです。2023年時点で日本には1000万人を超える認知症患者がおり、1370万人の糖尿病予備軍がいると言われています。
糖尿病には生まれつきインスリンが分泌されない「一型糖尿病」と長年の生活習慣によって引き起こされる「二型糖尿病」があり、日本人患者の95%は二型糖尿病に罹患していると言われています。そしてアルツハイマー病の発症メカニズムは二型糖尿病と似ていることからアルツハイマー病を「糖尿病性認知症」と呼ぶべきだという声もあるそうで実際に「三型糖尿病と」表現する医療関係者もいるそうです。
糖尿病は日本を含むアジアで今特に増えており、それはアルツハイマー病の増加とも一致します。つまり糖尿病患者やその予備軍が多く、これからますます高齢者が増える日本はアルツハイマー病大国となっていく可能性が非常に高くなります。
ではどのような対策をすれば良いのでしょうか。残念ながら現地点で認知症を確実に予防する方法は確立されていません。しかし認知症のための予防方法、それに応じた効果が全くないわけではありません。認知症の発症は日頃の活動(食事、運動、睡眠)等との関連があるとされており、普段の生活習慣を改善することによって認知症の発生リスクを低下させることが期待されています。
まず食生活ですが、バランスの良い食事を摂る、食べ過ぎない、間食を控える、塩分過多にならないように気を付けることが大事です。具体的には緑色の葉野菜や色鮮やかな果物、青魚、大豆食品が良いとされています。また良く嚙むことを意識することも大事です。これは噛むことによって脳へ刺激が伝わりやすくなるためです。そして運動習慣を取り入れることも大切です。
運動には「有酸素運動」と「無酸素運動」がありますが認知症予防の観点から見ると有酸素運動を中心とした運動が効果的であるという研究結果も出ています。運動の習慣がない方はエレベーターを使わずに階段を使う、最寄り駅の一つ前の駅から歩いてみる等無理のない範囲で始めてみるのも良いかもしれません。また対人接触を増やすことも非常に大事です。人とコミュニケーションを取ることは脳の活性化が促進され、認知症の予防に効果的だと言われています。特に笑う、褒めあうというのもポイントで、快刺激を得られ、脳にドーパミンが放出され、記憶力や学習能力が向上することが期待できます。知人や友人と会話する機会を増やす、地域の交流会やボランティア活動などに参加して交流する機会を設ける等他者との交流を増やすことが大切です。
その他には知的行動・趣味を見つけることも認知症の予防に有効です。これは前頭葉が活性化され脳が実現するように働き、認知機能の予防につながります。知的活動の代表的な物としてはパズル、ゲーム、楽器演奏等があげられます。
以上が主な認知症のための予防法ですが十分な睡眠(毎日約7~8時間が最適と言われています)の確保、目や耳の機能の維持のための定期的な検査も大事なことです。
人生100年時代と言われる昨今長生きできることはとてもありがたいことですが、それに伴い考えなければいけない認知症罹患の可能性。
できることはしっかり対策していつまでも元気で過ごすことができるようにしていきたいですね。
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