6月22日にケアファーム修道院キーゼルボッシュを訪問しました。管理人のカリエン・ボーネンさんとリンブルフ・ゾルフボーレン協同組合(Coöperatie Limburgse Zorgboeren)のマリオン・ファン・デン・ブルックさんが出迎えてくれました。
ケアファーム修道院キーゼルボッシュはリンブルフ州中央部のネール村に所在し、2007年まではこの場所とその周辺の土地はボーネンさんたち家族によって耕作と豚の混合農業として、使用されていました。その後2008年10月にケアファームをスタートさせ、主に認知症、非先天性脳損傷、身体的、心理的問題を抱える高齢者にデイケアを提供しています。今では毎日15人以上の利用者を受け入れ、自立した生活を送る高齢者が緑豊かな環境の中で有意義な一日を過ごすことを目的に様々な取り組みをしています。基本的にはケアファームでのアクティビティは利用者の希望内容と能力に合わせて行われ、前述のように有意義な一日を過ごすこと、社会との接点を持つこと、維持すること、自立を促進することを目的として行われます。
具体的な一日のスケジュールは、まず初めに一緒にコーヒーを飲むことから始まります。その後食事の準備を始めたり、アクティビティをします。12時には全員で食事を一緒に食べ、希望者は昼寝をしたりすることもできます。午後にもアクティビティは行われ、季節によってアクティビティは変わったりします。主なアクティビティは以下のようなアクティビティです。
・ウォーキング
・デュオバイクでのサイクリング(電動アシスト付)
・菜園、観賞用庭園、トンネル温室でのガーデニング、雑用、木工
・創作活動(絵画、手芸、モザイク画)
・テレビ(ニュースを見る)
・トランプ、ゲーム
・記憶トレーニング
・お菓子作り
・読書
さらにケアファーム修道院キーゼルボッシュで働くボランティアは、それぞれ異なる興味と多様な背景を持っているという観点から、どの分野でサポートをしたいかを提示することができます。
・送迎(クライアントを自宅まで送迎する)
・料理(午後は一緒に食事をします)
・ガーデニング(菜園や観賞用の庭で)
・デュオバイクでのサイクリング(電動アシスト付)
・ウォーキング(車椅子を使うこともある)
・ゲーム(トランプ、ボードゲーム、記憶トレーニング)
・創作活動(木工、絵画、手芸、モザイク)
ケアファーム修道院キーゼルボッシュは、リンブルフ・ゾルフボーレン協同組合(Coöperatie Limburgse Zorgboeren)に加盟しており、CLZは、ビジョンとして多様なクライアントのニーズに応え、専門的なケアとガイダンスを提供することとしており、介護を必要とする人々が安全な環境の中で安らげる空間、仕組み作りをサポートしており、他には財政面、苦情処理なども行っています。
今回ケアファーム修道院キーゼルボッシュを訪問してわかったことは、オランダのケアファームというと広大な面積の敷地内に馬やヤギ、羊、豚、ロバなどがいるイメージだったのですが、必ずしもそういうわけではなく、農業の割合が大きいケアファームもあるという事です。日本はヨーロッパに比べて土地が狭いため、このことは今後日本でケアファームを普及させていきたいと考える私達にとってとても大きなヒントになるなと思いました。
色々考えていくと問題は出てきますが、できることからコツコツとやっていきたいと思います。