5/15(月)に埼玉県所沢市にある農業生産法人株式会社風さんを訪れました。相談支援員の斎藤さん、支援員の高橋さんに出迎えられました。
農業生産法人株式会社風(以下省略)は都市近郊農業の事業化と拡充を計る基盤づくりを目的として農業生産法人及び障害者就労施設の兼用施設として設立されました。「農業の中で活路を創ろうよ!!」の理念のもと、農家の次世代を担う若者と何らかの障害を持つ方が一緒に協力し、畑を耕し、農産物を生産し、自社の直売所で販売することで地域の活性化、農業の活性化に取り組んでいます。そして障害者が作った野菜だから買うのではなく、安心だから、美味しいから買うとお客様に言われる野菜を作り続け、将来的には農産物の加工も手がけて安心できる良質な食を提供するという夢を持って事業をしています。
元々は障害者就労継続支援A型施設でしたが、現在は障害者就労継続支援多機能型(A型・B型)の施設認定を受けており、A型B型とも対応しています。人数ではA型が10名、B型が3名で風さんでは野菜販売所で働くのか、農園で働くかの選択をすることができるようで、販売所で働く人の方が多いそうです。
私たちが見学で訪れた際、農園ではとうもろこし、玉ねぎ、ねぎなどが栽培されていたほか、時期によっては川越いも、ルッコラ、ズッキーニなどが栽培されています。その他野菜販売所でも春・秋の時期にきのこを作っています。
ぶんぶん農園担当の高橋さんは株式会社風の支援員として障害者の方と農業活動を行う傍ら、高橋農園を経営されており、共同事業を始めて10年になるそうです。
高橋さん曰く、A型、B型でそこまで大きな違いがあるわけではなく、最終的には人によって個人差があるため、一人一人にしっかり向き合い、寄り添う事が大切とのこと。
ぶんぶん農園では、野菜のパック詰めなどの簡単な作業はもちろんのこと、危険を伴うような作業でないものに関しては障害者の方にお願いしているようで、高橋さんと障害者の方の間に信頼関係がしっかりと構築されているなと感じました。
ぶんぶん農園で生産された野菜は野菜集まれぶんぶんで販売されるほか高橋農園の直売所でも販売されているそうです。しかしながら販路が足りていないのが現状であり、生産されたきのこも処理できなくて乾燥処理しているような状況からさらなる販路の確保が急務です。
今回風さんを見学させていただいて改めてケアファーム事業において、販路の確保が一番大事だと感じました。それは採算を合わせるうえでも非常に大事なことであり、高橋さんの「買い上げてもらうことで安心感がある」という言葉からもわかります。その為販路をいかに確保するか、また拡大していくためにはどのような手段があるのかといった問題について深く考えさせられました。