オランダはヨーロッパ北西部に位置し、日本の九州とほぼ同じ面積に1,760万人(2022年)が住んでいる国です。オランダといえば風車やチューリップを連想する人も多いのではないでしょうか。そんな決して大きい国とは言えないオランダですが、農業や福祉に関しては最先端の取り組みをしている国であり、見習わなければならない点がたくさんあります。
ハイテク農業先進国と言われるオランダですが福祉も非常に進んでおり、農業と福祉が連携した取り組みを行っています。それこそがケア(福祉)×ファーム(農業)です。
ケアファームとはケアや指導を必要とする参加者にスペースと可能性を提供する農場やその他の独立した事業のことです。このケアとサポートは農業の中で行われ、酪農場、耕作地、園芸場等様々で介護事業者は運営管理や事業展開において、参加者の目標や可能性を考慮してくれます。つまり参加者一人一人の興味や希望、可能性に対して個人的な配慮がされ、テーラーメイドのサービスを提供しているのです。
その他一緒に料理をするなど様々な家事を手伝うこともでき、その活動は有意義なものとして体験されています。実際あるオランダのケアファームの成人グループの中の人にはうつ病、自閉症、アルコール依存症、不安障害等の精神疾患を抱えた人々がいて、ケアファームでの農作業や日々のカウンセリングを通して社会復帰を目指している人々もいます。例えば自閉症で自分に自信が持てずに自虐的になっていた女性がケアファームに数年通って自信を取り戻し、仕事に就き、結婚をした例などが挙げられます。
このようにケアファームは参加者にとってありとあらゆる可能性を発掘しうる場所でもあり、参加者自身も自分自身の可能性を見出すことで自信を持つことができるのです。
では様々な取り組みをしているオランダのケアファームですが、具体的にどのような取り組みがあるのか、ここでいくつか紹介します。
-耕作地と畑の野菜
-樹木、宿根草、夏の花
-球根栽培
-フルーツ栽培
-温室園芸
-マッシュルーム
-肉用牛の農場
-養豚場
-ヤギ・羊牧場
-競馬場
-養鶏場
-カーフホールディング
ラビットファーム
上記のように組み合わせも様々です。これらはほんの一例ですが一人一人に寄り添い、
しっかりとニーズを把握したうえでサービスを提供しているからこそ、サービスを受ける参加者も様々な可能性やチャンスを手にすることができるのだなと改めて考えさせられます。
我が国日本も障害者等の就農を促進し、農業分野等で活躍することを通じて自信や生きがい等を持って生きていく事を目的として農福連携を掲げおり、企業も注目し、社員研修等にも導入していることから、今後さらに農業や福祉の現場への理解が深まっていくことを期待し、注目していきたいと思います。
引用
・オランダケア農業連盟ハンドブック
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