認知症患者が一番多い国は日本であるということは以前にも記事にさせていただきましたが、皆さんは認知症が少ない国はご存知でしょうか。調べてみると認知症が少ない国として上位に出てくるのはフランス、インド、西アフリカだそうです。
理由としてフランスではよくワインが飲まれることからワインに含まれるポリフェノールが認知症の抑制に効果的で西アフリカ地域では遺伝的要因や食生活、生活習慣、教育レベルなど複合的な要因が関与していると考えられており、特に食生活では地元で栽培された野菜や果物、穀物などを中心とした生活を送ることが多く、これらが脳の健康を維持するのに役立つ栄養素を豊富に含んでいるという可能性があるとされています。
それではインドはなぜ認知症患者が少ないのでしょうか。今回はインドで認知症患者が少ないと言われる要因について探っていきたいと思います。
まず最初に挙げられるのがインド人のソウルフードカレーです。実は70~80歳代のインド人の70歳から80歳代のインド人のアルツハイマー病発症率はアメリカ人と比べて約4分の1というデータがあるのです。その理由はカレー独特の食欲を誘うスパイス、ウコン(ターメリック)にあるとみられています。ウコンに含まれるポリフェノールの「クルクミン」には加齢とともに脳内に溜まり、アルツハイマー病の原因となるたんぱく質「アミロイドβ」ができるのを防いだり、すでに固まってしまったアミロイドβを分解したりする効果があることが金沢大学の研究などからわかっています。
さらに、アルツハイマー病だけではなく、認知症を引き起こす病気の中で二番目に多い「レビー小体型認知症」についてもその原因となるたんぱく質(α-シヌクレイン)を分解する働きがあることが期待されているのです。市販のカレールウやカレー粉にもウコン(ターメリック)は入っていますが、含有量が少ない場合は少量のウコン(ターメリック)の粉を追加するのも効果的だそうです。さらに近年の研究によりビールやノンアルコールビールの「ホップ」に含まれる苦味成分に認知機能を改善する効果があることが判明しました。
2019年にキリンホールディングスがヨーロッパ醸造学会で発表した報告によると、ホップ由来の苦み成分を12週間に接種したグループはそうでないグループと比較して、認知機能の「記憶想起力」が改善されることが確認されたそうです。またコーヒーに含まれるカフェインも認知症予防の効果が期待できることも近年の研究成果からわかっており、記憶力を高める効果があることが分かってきました。
「人は食べ物でできている」という言葉はよく耳にしますが人が生きていくうえで欠かせない食事。
ちょっと意識して普段の食生活に取り入れるだけでもかなり効果が期待できそうなだけにこれらの食品を積極的に摂取して認知症を予防していつまでも元気に過ごせるようにしたいですね。
引用
・カレーは週3回食べる 専門医がやっている認知症予防 - 日本経済新聞